抹茶メーカーが独自に定める線引き
飲用抹茶及び食品加工用抹茶の原料や製造方法などに明確な定義はなく、その品質も抹茶メーカーにより様々です。次項で述べる食品加工性能を付加した抹茶以外、抹茶メーカーは品質の順に並べた抹茶に対し、苦渋みの強さなどによって、「そのまま飲用できる飲用抹茶」「抹茶の風味付にけなら使用できる加工用抹茶」という線引きを独自に行っています。
例えば、ある会社で食品加工用として販売されている抹茶があったとします。それと同じ品質と考えられる抹茶が、他社では飲用として販売されている、またその逆もあるでしょう。
食品加工性能を付加した抹茶
抹茶は、その粒子の細かさによりダマになりやすく、光で退色しやすいなどデリケートな素材です。そのためユーザー(抹茶商品開発担当者やパティシエなど)から、その欠点を改善した抹茶のニーズが寄せられることがあります。そのため、食品加工性能を付加した抹茶が存在します。
例)
・退色の防止を目的としたクロレラなどによる着色抹茶
・撹拌性を高めたペースト状の抹茶
・振りかけた時に濡れたようになる「泣き」を防ぐため油脂を添加した抹茶
しかし、添加や加工によっては抹茶本来の風味を損なう場合もあります。
山政小山園は、茶道界を中心に飲用の上級な抹茶を愛好いただいてきた歴史もあり、添加物を一切使わない100%自然由来の抹茶づくりを続けているため、そのような食品加工性能を付加した抹茶の製造・販売は行っていません。
食品加工用途に、食品加工用抹茶でなくてもよい
「食品加工用途には、食品加工用抹茶でないといけない」と誤解されている場合があります。食品加工性能を付加した抹茶を除けば、苦渋みなどそのまま点てた時の飲みやすさ等で各社が独自に線引きしたに過ぎません。
より抹茶の風味を大切にした商品開発には、味や香りのよい飲用の(食品加工用と名前のついていない)抹茶を使用する方がよいでしょう。
当社では食品加工用途として、飲用抹茶茶銘の「槇の白」以上もお勧めしています。