抹茶とは

抹茶の定義

公益社団法人日本茶業中央会によると「覆下栽培した茶葉を揉まずに乾燥した茶葉(碾茶)を茶臼で挽いて微粉状に製造したもの」とされています。しかしながら、抹茶の明確な定義はなく、業界団体が自主的に定めるに留まります。世界的な抹茶需要や、おおよそ抹茶とは呼べない粗悪なものが流通する実態をふまえ、国際標準化機構(ISO)において、抹茶の定義が検討中であり、日本茶業中央会においてもその定義の改訂が検討されています。

抹茶の原料

抹茶の原料葉を「碾茶」と呼びます。茶の樹から摘採(収穫)した生葉を蒸して乾燥させたものを「碾茶の荒茶」といい、まだ葉の形が残っています。それを細かくして、網や風の力で飛ばすことにより茎や葉脈の部分(出物)を丁寧に選り分け、柔らかく味の良い葉肉部分だけにします。それを「荒茶碾茶」に対し「仕立碾茶」と呼び、仕立碾茶を石臼で挽くと抹茶になります。

荒茶碾茶
出物
(取り除く部分)
仕立碾茶

抹茶の特徴

100%自然由来の食品である抹茶は、摘採した生葉を蒸して乾かし、選別して挽き上げるだけの、大変シンプルな食品です。そのため、原料茶葉の品質が抹茶の品質に直結します。美味しい抹茶をつくるためには、加工や製造方法だけでなく、その栽培や原料茶葉の特徴まで熟知することが必要です。山政小山園は茶農家を起源とし、現在でも自園をもつ数限られる抹茶メーカーです。茶栽培から挽き上げまで一貫して行うことにより、品質の高い抹茶の製造に努めています。

抹茶は非常に細かな粒子(およそ5~10ミクロン程度)の微粉末であるため、吸湿・吸臭しやすく、光の影響を受け退色しやすい物性を持っています。また、温度や湿度が高いと変質が速く進むのも特徴です。