
日本を代表する調理・製菓学校
辻調グループは、大阪、東京、フランスに計6校の学校を持ち、調理師やパティシエを育成する食の総合教育機関です。卒業生は14万人以上。国内外の料亭やレストラン・パティスリー等の料理長や、オーナーシェフ・パティシエはもちろん、フードコーディネーターや料理研究家など、食に関わる幅広い人材の育成に成功する、名実ともに日本を代表する学校です。 注目される
日本茶の魅力と抹茶ブーム
四季折々の風景や社寺建築、多様な伝統文化など、日本は世界中から観光客を集める観光立国の道を歩んでいます。平成25年には「和食」がユネスコの世界無形文化遺産に登録され、日本茶は、日本や日本食文化「和食」と切り離せない存在として、注目されています。その中でも抹茶はスイーツとして国内外で人気が高まっており、和洋菓子で定番のフレーバーとなっています。
抹茶を学ぶ、プロ向けの特別授業
このように抹茶は日本伝統の飲料でありながら、近年急激に食材として活用されるようになりました。その結果、食品用抹茶市場が急拡大、抹茶の扱いがなかった茶業者のみならず、多方面から新規参入が相次ぎ、価格に品質が伴わないものも流通する事例も散見されるようになりました。そんな現状にありながら、抹茶の調理・製菓・呈茶について実践的に学ぶ場は少なく、プロユーザーの知識不足による現場の悩みや、仕入れのリスク、品質トラブルなど多くの課題を生んでいます。
山政小山園と辻調グループ
江戸初期より宇治に茶園を持ち、「美味さ、ありき。」を信念に栽培から製造まで一貫して茶とともに歩んできた歴史を持つ山政小山園。また「食」全般に関する知識を集積し、さらに新しく開発し、社会全体へ向けて発信してきた辻調グループ。両社は、日本茶ニーズの高まりや抹茶ブームと、現場の知識・技術不足のギャップを解消し、日本茶の正しい理解と活用を目指した、調理技術者向けの実践的な学びの場がつくれないかと考え、本特別授業実施に至りました。
現物を見、触り、味わいながら
本特別授業は、日本茶の種類の体系的な知識を序論に、抹茶の物性や製造方法・歴史などの基礎知識から始まります。そして、抹茶の使用や保存など、適切な取り扱いについてや、仕入れ時の品質の見極め方といった、より実践的な内容に踏み込んでいきます。総合的な茶製造問屋である山政小山園は、10種を超える日本茶ラインナップや、17グレードを取り扱う抹茶、そしてその原料葉に至るまで幅広く準備することができます。現物を見、触り、味わい、時にそれらを比較しながら学ぶ構成とすることで、我々しかできない、現場技術者に必要な知識と技能の習得を目指しています。また、5月には自園での茶摘みや、一番茶の時期しか稼働しない碾茶製造工場の見学など、産地での学びを深める予定です。
これからも、さらなる展開を
今年から始まった本特別授業の受講者は、日本料理専攻から和菓子専攻まで、幅広い学生です。課外授業や単位認定された講義など、多様な形態で今後、実施していきます。日本茶と料理のティーカップリング提案や茶葉を使用したレシピ開発など、講座の内容をさらに深め、展開していきたいと、考えています。